技術革新をつづける
シマノ内装変速機の原点

シングルフリーホイールの次なる市場として、シマノは変速機の開発に取り掛かりました。そして、1950年代中ごろに国内で起こったサイクリングブームの時流に乗り、1954年に外装3段変速機を発売。しかし、ブームは一時的で、その後シマノは外装変速機の製造から撤退を余儀なくされました。次に手掛けたのが、変速装置をハブの中に組み込んだ内装変速機でした。内装変速機はメンテナンスの必要性が低い上に、レジャーにも実用にも使いやすいため、徐々に市場の広がりを見せつつあったのです。1957年、内装変速機「3スピードハブ」を発売。初代モデルは海外製品を参考に製造しましたが、大きさや使い勝手など変速機になじみのない日本人には扱いにくいものでした。独自の改良と研究開発の必要性を感じたシマノは、市場分析、製品計画、技術革新などに着手。翌1958年、軽量化、コンパクト化を実現したモデルを発売します。1960年にはそれに合わせ、グリップを握りながら変速のできるツイストタイプのシフターを世に送り出し、高い評価を得ました。この製品をきっかけに、内装変速機がシマノにとって主力製品に育っていきます。