TCFD提言に基づく情報開示
「人と自然のふれあいの中で、新しい価値を創造し、健康とよろこびに貢献する。」を使命とする当社にとって、気候変動問題は重要なテーマの1つであると考えております。気候変動が当社の事業に影響を与えるリスク及び機会を分析して事業に与える重要性を評価し、リスクへの対応や機会の享受を経営戦略に統合して推進することは、当社の持続的な成長と企業価値向上において重要であるとともに社会の持続可能性の貢献にも寄与すると考え、その進捗を適切に開示してまいります。
ガバナンス
2022年5月設置のESG委員会において、CO2排出量と削減活動のモニタリングを行うとともに、気候変動関連のリスク及び機会に対する対応方針、対策を審議し、取締役会に報告してまいりました。さらに、2024年4月よりESG委員会の傘下に環境委員会、社会倫理委員会、ガバナンス委員会の小委員会を設け、環境委員会を担当する執行役員のリードのもと効果的な推進とより一層実質的な議論ができる体制としました。
環境委員会での議論後ESG委員会での審議に基づき報告を受けた取締役会は、気候変動関連のリスク及び機会に対する対策が適切に推進されるよう監督・指示を行います。
※2024年12月期は、ESG委員会を4回開催し、取締役会に4回報告しています。
戦略
2022年に当社は、グループ全体に及ぶ影響を確認するため、2030年までの時間軸で財務に影響を与える可能性のある気候変動リスク及び機会を定性的に評価しました。2023年は、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ)を用いて、2030年を対象にシナリオ分析を実施しました。各シナリオの分析の中で、定性的に特定した気候変動リスク及び機会のうち、定量的に評価が可能なものに関しては事業への影響度を定量的にも検証・評価しております。
このうち、事業に大きな影響を与える気候変動リスク及び機会は下表のとおりです。
リスク及び機会 |
外部環境の変化 |
事業への影響 |
移行リスク |
政策及び法規制 |
炭素税の導入、炭素税率の上昇 |
費用の増加 |
評判 |
気候変動への対応をブランド価値の構成要素の一つとするステークホルダーの増加 |
売上収益の減少 |
物理リスク |
急性的 |
台風・洪水の激甚化 |
売上収益の減少 投資コストの増加 |
機会 |
製品及びサービス |
低炭素なモビリティである自転車市場の拡大 |
売上収益の増加 |
リスク管理
当社では、ESG委員会において気候変動問題のリスクを議論したうえで取締役会に報告しております。
取締役会は、議論内容の報告をうけ、必要に応じて見直しや指示を行うことで監督を行っております。
指標と目標
(指標)
スコープ1、スコープ2に該当するCO2排出量
(目標)
・国内外の製造拠点を対象に2030年までに2013年比でスコープ1、スコープ2に該当するCO2排出量を55%削減
・チームシマノ全体で2050年までにカーボンニュートラル
CO2排出量(スコープ1+スコープ2)
集計対象範囲:株式会社シマノ単体の製造拠点及び国内外グループの製造拠点
(単位:千t-CO2) スコープ1 スコープ2
- (注)
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- 四捨五入により、内訳と合計値が整合しない場合があります。