プロジェクトストーリー
PROJECT STORY 04
プロジェクトストーリー
シマノ製品をもっと暮らしに寄り添ったものに
ゼロから世界観の創出に力を注いだ担当者たちのストーリー
PROJECT MEMBER
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T.Fさん
所属部署
釣具事業部
釣具企画部
LSG企画課
入社年 2016年 -
S.Sさん
所属部署
釣具事業部
釣具マーケティング部
GPCM課
入社年 2013年 -
Y.Kさん
所属部署
釣具事業部
釣具事業管理部
国内営業統括課
入社年 2015年
PRODUCT
クーラーボックスは、シマノが長年つくってきた歴史と実績のある釣具製品です。折からのアウトドアブームの中、消費者のニーズを察知し、既存のICEBOXの機能はそのままに、外観をアウトドアマインドに合わせてカラーデザインを施した新しいラインナップはジャンルを超えた大ヒットとなりました。担当部署の皆さんから、その成功の舞台裏の一部を聞きました。
釣り文化からアウトドアへ
新たな価値を提供
釣具企画:コロナ前に始まったアウトドアブームに伴い、キャンプに使うクーラーを買いに釣具店を訪れるお客様が増えていました。そこで私たちは既存の釣具製品に新たな価値を付加し、新たな販路を開拓しようと企てました。
キャンプは、家族で楽しむ人たちと、少人数で長年続けているコア層があり、それぞれ必要とするクーラーの容量や性能は異なる上、コア層向けの製品が意外に少ないのが実情でした。プライベートで何度もキャンプ場に通って観察すると、道具の色が価格帯によって違うことに気がつきました。さらに調査会社や店舗から得た情報なども合わせて、製品の仕様を絞り込んでいきました。
様々な業界の歴史を紐解くと、ブランドの基軸になる製品には、製品寿命が長く普遍的な価値を提供するという法則があります。実はクーラーはこうした条件に適した製品なのです。私たちはICEBOXを5つの色替えでグレードを表現するとともに、いかに高機能でキャンプに向いているかを訴求しました。結果は大ヒットとなり、後のVACILANDやCOOLER BAG PROなどの製品展開につながりました。この経験によって企画部全員の視野が広がり、全体を俯瞰して狙いを定めた企画ができるようになりました。
私は、人は自分の趣味に集中することで心が満たされ、周囲にも優しくなれると思います。その意味で、私たちの製品が釣りやアウトドアに没入できる環境を提供し続けることは、平和で明るい社会の実現にもつながると信じています。そして今の目標は、それぞれのユーザー様のスタイルや価値観に寄り添った製品をつくり、より多くのユーザー様に共感と信頼の輪を広げ、釣り文化をもっと広めていくことです。
SNSを駆使した洗練された
ビジュアルで世界観を発信
釣具マーケティング:キャンパーをターゲットに据え、本製品を置いてもらいたい店舗を企画・営業と協力して抽出し、そこに営業が「飛び込み営業」をしてくれました。
同時に、膨大な情報の中でも一目でお客様の心を掴む洗練されたビジュアルをポイントに、自社サイトのほかSNSを活用して、スマートフォン向けにクオリティの高い動画や写真を配信。中でも、WEBメディアとのタイアップにより、圧倒的な保冷力を伝えるため、あえて製品内部の真空パネルの断面を見せた動画には大きな反響がありました。このほか、著名なアウトドア雑誌やWEBとのタイアップ、アパレルショールームでの展示などを工夫し、他社製品に対する優位性を訴えました。それらを見た海外、特にアジアのお客様から多くのご要望が寄せられ、店舗側も動いてくれました。
シマノ製品が高機能なのは当たり前。面白いのは、スタイリッシュな世界観を発信した結果、保冷力では遮熱効果の高い白が有利であるにもかかわらず、釣りのお客様もカラーの製品をご購入くださるようになったことです。
シマノには、明確な目的・効果・根拠があれば挑戦させてくれる社風があります。専門メーカーの技術力を強みに、自分たちでゼロから価値を創造したICEBOXの成功は、ライフスタイル製品発展の足がかりになりました。人々の暮らしに寄り添う製品をお届けしてお客様によろこんでいただくため、製品を出したら終わりではなく、これからも「ことづくり」にフォーカスした継続的な発信が重要だと考えます。
販路開拓を楽しみ、
その成果を釣りへ還元
釣具営業:釣具の営業は、既存の得意先を回るルート販売が普通ですが、今回は人生で初めて、大手セレクトショップやアウトドア専門店に「飛び込み営業」をしました。
まず、従来製品のクーラーボックスFIXCELを店舗へ持参して高性能を説明しましたが、いかにも釣り用っぽい外観が受け入れられません。また、釣り業界とアウトドア業界では販売方法が異なる部分も多く、釣具とは別のラインを新設しました。お客様の声から製品に求められる条件を社内にフィードバックし、企画が製品仕様を考えてくれました。新規の販路をゼロから1へ自ら開拓するのは非常に楽しく、やり甲斐がありました。
やがて専門店が「お試し」で置いてくれるようになり、がらりと潮目が変わったのは前出のプロモーション動画が注目されるようになった頃です。製品の認知度は上がり、以前は断られた店舗様からも注文をいただけるまでにビジネスは拡大しました。
アウトドアの展示会などで、この製品が海外製の高級品にも価格・性能面で劣らない「Made in Japan」であり、白物家電のような清潔さやメンテナンス性の高さなどを説明すると、従来の購買層だった男性より、女性が選んでくれるようになりました。ICEBOXは女性の消費行動をも変えたのです。
私がシマノに入社した理由の1つは、釣りをもっと身近なライフスタイルにしたかったこと。釣具総合メーカーを基軸に、シマノブランドがアウトドア愛好者に知られる突破口を開いたことで、成果を釣りに還元していくための第一歩を踏み出せたと思います。
釣具総合メーカーとしてのアイデンティティとユーザーのマインドを深く理解した世界観の提案が掛け合わさったことで、ICEBOXは高機能かつアウトドアシーンでも使いやすいクーラーボックスの新しい地位を築くことができました。シマノはこれからも日々のライフスタイルに寄り添う製品づくりを通して、多くの人々の健康とよろこびを支えていきます。