ベイトリールの礎となった伝説の名機

ベイトリールの礎となった伝説の名機

「BB-1」「BM」シリーズの開発によって、国内外のベイトリール市場に大きな衝撃を与えたシマノは、自転車部品事業と同様に、釣具分野でも「世界のシマノ」を目指すべく、新たなる試みに乗り出しました。バスフィッシング発祥の地であるアメリカへ技術者を送り、約1年にわたるフィールド調査を実施。それらの結果をもとに技術開発を進め、誕生したのが「Bantam」です。発売後はフィッシング初心者から上級者まで幅広いユーザーに支持される人気シリーズとなり、「世界中の釣具メーカーがコピーしている」と言われるほどの影響力を業界に与え、ベイトリール市場でシマノの名声を一気に高めていったのです。

STORY

BMシリーズ

市場を席巻した前作技術を、さらなる現場調査で磨き上げる

シマノ釣具事業部の新たなる試み、それは世界最高峰のベイトリールとして、今までにない高品質を実現することでした。「BB-1」「BM」シリーズの開発を通して、実際のユーザーの声や現場のリアルな感覚を知ることの重要性を学んだシマノは、バスフィッシング発祥の地といわれている本場アメリカへ技術者を送り、約1年にわたるフィールド調査を行いました。そこで得ることができたユーザーのニーズは、より軽量かつコンパクトで精密度の高いリールでした。それらのユーザーニーズを実現するために、シマノは従来の「BB-1」の構造を徹底的に見直し、シンプルでありながらより頑丈な構造を模索しました。当時の開発コンセプトとして「やさしさ」「楽しさ」「存在感」を掲げ、そのリールを使用すること自体がユーザーにとって満ち足りた時間に繋がる、そんな製品を追い求めて開発に力を注ぎました。

ユーザーのやさしさ、楽しさ、存在感を重視しながら進化

こうして誕生したBantamは、1978年にアメリカで、翌1979年に日本国内で発売となり、いずれも大きな反響となりました。スプールの回転やギアの精度は、精密機器に例えられるほどの代物で、またフレームの強度も格段に向上。スプールの直径は従来製品の直径39mmから35mmへと大幅に小型・軽量化を実現し、ベイトリール特有のトラブルであるバックラッシュも低減されました。さらに、ボディとスプールのスキマを縮めて糸噛みを防止し、なめらかなカーブ形状はロッドと共にリールを握るユーザーの手を疲れと痛みから解放しました。機能面では使用するユーザーのことを想い「やさしさ」「楽しさ」を徹底し、また、金属感を際立たせたシルバーに輝くボディは「バンタム・シェープ」と呼ばれ、釣り場や店頭で圧倒的な「存在感」を示すこととなりました。

発売後は、初心者から上級者まで幅広いユーザーに支持される人気シリーズとなり、船便での輸送が空輸に切り替えられる事態まで引き起こしました。ベイトリール市場でシマノの名声を一気に高めたBantamは、その後積極的に製品展開を拡大し、成長していきました。1990年代後半から徐々に戦略的ブランドとしての役目を終えることになりますが、ユーザーからの人気は根強く、2016年には新シリーズをリリースし復活。これにはオールドファンのみならず、新しいユーザー層にも吉報として迎え入れられ、2018年2月発売の「Bantam MGL」は順調に売り上げを伸ばしていきました。2019年12月にはロッドやルアーでカラフルな模様が特徴的な「スプラッターデザイン」シリーズを展開し、現代の価値観に合わせた道具をコーディネートする楽しさやファッション性の提案を行いました。Bantamブランドは、新境地を開拓しながら、長きにわたり愛され続けています。

SERIES

※日本国内への発売年を基準に一部のみ掲載しています