世界規模で広がるE-バイク市場に 独自の技術で切り込む

世界規模で広がるE-バイク市場に
独自の技術で切り込む

シマノのE-バイクは、単に電気モーターやバッテリーを自転車に取り付けたというものではなく、ペダリングを「アシスト(補助)」するという考え方に基づいていました。SHIMANO STEPSでは、いかに自転車本来の乗りごこちを損なわずに、アシストパワーを生み出すかに焦点を当てて開発が進められました。より自然なバイクコントロールを可能にし、搭載する自転車のジオメトリーや全体のバランスまで考慮したほか、天候や悪路に左右されない高い防水性能を持ち、長時間のライディングや本格的なオフロードにも耐えうる高出力・長寿命を目指しました。

STORY

自転車本来の乗りごこちを求めて

当初に開発が進められていた製品は、前輪にモーターユニットを配置し、リチウムイオンバッテリーおよびブレーキと連動した回生充電システムを持つものでした。前輪にモーターユニットを配置することで、フレーム設計に大きな変更が不要になるというメリットを重視していたからです。しかし、シマノはこの製品の発売を中止する判断を下します。よりスポーティなE-バイクがマーケットで急速に広がりを見せる中、アシスト性能に有利なミッドシップタイプ(クランク近くにモーターユニットを配置)が市場のスタンダードになりつつあったからです。ミッドシップ方式で再度チャレンジすることに決めたシマノは、同時に、自転車本来の魅力を維持するための、2つの課題を突きつけられることとなったのです。1つ目は前後の車輪とクランク中心の位置関係で、フレームを設計する際にもっとも大切な要素となるもの。そして2つ目は、ペダリングに影響を与えるアシストユニットの大きさや重量でした。開発陣はそれらの要件を徹底的に検証・精査し、自転車本来の魅力を損なうことなくアシストユニットを成立させることに注力しました。

さらに広がるE-バイクの世界

2014年、「SHIMANO STEPS」最初のアシストユニット「E6000」シリーズが発売されました。さらに2016年には、E-バイクの波がマウンテンバイクにも広がりを見せる中、「E8000」シリーズとして本格的スポーツモデルを上市。軽量、コンパクトというスポーツバイクとして求められる基本をとことん追求すると同時に、オフロードライディングでの激しい振動や耐泥性能を徹底的に高めました。2018年には、E8000で確立した走破性能を受け継ぎコストパフォーマンスを高めた「E7000」シリーズ、バランスの良いアシスト性能を確保しつつ最上位機種に負けない出力を発揮する「E6100」シリーズを、2019年にはコストパフォーマンスを高めたシリーズ最軽量の「E5000」シリーズを展開しました。また、日本の法規制に合わせた仕様も展開しています。

世界中にE-バイクが浸透していく中、それはシティ、トレッキング、マウンテンバイクに加えて、ロードバイクの分野にも広がりを見せています。電気の力が、自転車の本来の楽しみを「アシスト」する限りにおいて、E-バイクは人にもっとも近い道具として、これからも人々に健康とよろこびを与え続けると考えています。SHIMANO STEPSはシマノのさらなる発展に向けた新たなステップとして、これからも進化を続けていきます。

SERIES

2020
SHIMANO STEPS EP800 シリーズ
E-マウンテンバイク(MTB)用アシストシステムがさらに進化して登場。通常のMTBの乗り味や操作性を損なわないコンパクト性とペダリングを実現するとともに、さらなるパワーと軽量化を両立させました。また、E-TUBE PROJECTと連携することにより、一人ひとりに合わせた詳細なチューニングを可能とし、これまでにない一体感を提供します。
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※国内で展開しているE8080シリーズ、E6180シリーズ、E5080シリーズはそれぞれE8000シリーズ、E6100シリーズ、E5000シリーズの日本規格仕様です。