自動変速を自転車のスタンダードにしたい
バイシクルコンポーネンツ事業部 企画部
H.S
2017年入社
自動変速を自転車のスタンダードにしたい
バイシクルコンポーネンツ事業部 企画部
H.S
2017年入社
古びた1台の自転車が人生を変えるきっかけに
元々は建築家を目指し、大学では建築設計を専攻していました。しかし、叔父から古びた1台のロードバイクをもらったことが、その後の私の進路をガラリと変えました。何年も使われないまま倉庫に眠っていたその自転車をなぜか愛おしく思い、試行錯誤しながら分解、整備してみると、息を吹き返したかのように動くようになったのです。そこに使われていたのは1980年代のシマノの部品。30年以上も前の製品が、ずっと放置されていたにもかかわらず、スムーズに作動することに深く感動し、シマノブランドに惹かれるようになりました。そして、自分の手で修理した自転車で長距離ライドを楽しんだり、他の古い自転車をレストアしたりするうちに自転車の構造自体にも興味がわき、シマノへの入社を志望しました。
入社から一貫して自動変速を担当
入社後は新規開発を行う部署で、自転車の自動変速の研究・開発を担当し、自動変速のメカニズムや制御の開発プロジェクトに携わりました。4年目に現在の商品企画部署に異動した後も、一貫して自動変速の製品を担当しています。
シマノは過去に何度も自転車の自動変速にチャレンジしてきました。その間、あまり大きな実を結ぶことはありませんでしたが、2022年、ついにE-BIKE用の機能として新世代の自動変速が市場に投入されました。開発時代から懸命に取り組んできた新しい技術がようやくここまで辿り着けて、本当に嬉しかったです。シマノでは1つの製品を1人がメインで担当するので、自身の思い入れを持ち続けながら仕事をできることが、大きなやりがいであり、楽しさだと実感しています。
自分で仮説を立て「企(たくら)む」ことを大切に
入社後、マウンテンバイクの楽しさを知り、すっかりのめり込んでいた私は、「この自動変速機能はマウンテンバイクのトップレーサーにこそ必要な機能ではないか」という1つの確信と仮説を抱いていました。しかし、それを社内で話しても、「変速操作の高いスキルを持っているのがトップレーサーたるゆえんだ」という意見が大半で、私の仮説には懐疑的な雰囲気でした。それにもめげず、この機能の真価や現状の課題をみんなに熱弁し続け、半ば説得し、実際に海外のレーサーに使っていただく機会を得ることができました。レーサーからいただいたのは、ポジティブな感想と建設的なフィードバックばかり。それに沿って改善を重ねていき、「この機能なしにはもう乗れない」と言われたときは、ガッツポーズで飛び上がるほど嬉しかったです。
商品企画の部署では、常に何かを企む必要があります。そのうえで、まずは常に自分の仮説を立てることを大切にして業務を進めています。お客様はきっとこう思っておられる、あるいは、本人は気づいていないが、実は潜在意識の中でこんなものが欲しいのではないか、といった仮説を立て、それを実証していくプロセスを踏むことで、誰も考えていなかった新しいことが生まれてくるものだと思います。
自分の考えを伝え、人の話に耳を傾ける企業風土
入社してからこれまで、「人」に恵まれてきたことを幸せに思います。これは、シマノの風土と言っていいかもしれません。1、2年目の新人のころ、まだ会社や業務への理解も浅い私の意見や考えにも、先輩や上長の皆さんは真剣に耳を傾け、一緒に考え、導いてくれました。チーム内で様々な異なる意見が出ても、丁寧に話を聞いたうえで進む方向を判断してもらえるので、納得して業務を進められることは、シマノの大きな魅力の1つだと感じています。
また、企画というものづくりの上流工程だけでなく、各工程に自転車好きのメンバーが多くいて、それぞれからフィードバックがもらえることも、シマノならではの強みだと感じています。
自動変速を自転車のスタンダードに
自動車では今やオートマチック車が主流で、マニュアル車は、いわば趣味や嗜好の乗り物になっていますよね。自転車でも同じような変革を起こすことが、今の私の大きな夢です。自動変速は、自転車に乗る楽しみを大きく広げてくれる技術です。多くの方にこの魅力を知っていただき、普及させていけるよう、今後も頑張りたいと思います。
ここまでお話ししてきたように、シマノでは学生時代の専攻に関わらず、入社後に勉強できる環境が整っているので、未知の分野だという心配には及びません。それよりも、ご自身のしっかりした考えや意志、仮説を持ち続け、それを明確に伝え、周囲とともに実証していく過程を大切にできる方なら、楽しみながら充実した業務ができると思います。
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