自分で仮説を立て「企(たくら)む」ことを大切に
入社後、マウンテンバイクの楽しさを知り、すっかりのめり込んでいた私は、「この自動変速機能はマウンテンバイクのトップレーサーにこそ必要な機能ではないか」という1つの確信と仮説を抱いていました。しかし、それを社内で話しても、「変速操作の高いスキルを持っているのがトップレーサーたるゆえんだ」という意見が大半で、私の仮説には懐疑的な雰囲気でした。それにもめげず、この機能の真価や現状の課題をみんなに熱弁し続け、半ば説得し、実際に海外のレーサーに使っていただく機会を得ることができました。レーサーからいただいたのは、ポジティブな感想と建設的なフィードバックばかり。それに沿って改善を重ねていき、「この機能なしにはもう乗れない」と言われたときは、ガッツポーズで飛び上がるほど嬉しかったです。
商品企画の部署では、常に何かを企む必要があります。そのうえで、まずは常に自分の仮説を立てることを大切にして業務を進めています。お客様はきっとこう思っておられる、あるいは、本人は気づいていないが、実は潜在意識の中でこんなものが欲しいのではないか、といった仮説を立て、それを実証していくプロセスを踏むことで、誰も考えていなかった新しいことが生まれてくるものだと思います。