若いころの大きなチャレンジは 将来の礎
シマノには、若手でも大きなチャレンジができる環境があります。私も入社2~3年目でスピニングリールのフラッグシップであるSTELLAの担当となり、「ユーザー様の期待以上の製品を出さなければ」というプレッシャーと同時に、大きなやりがいを感じる日々を過ごしていました。
シマノのリール開発では、1つの機種を1人の開発者が担当します。革新的な機能、感性的なデザインと質感、巻きごこちは言うに及ばず、所有するよろこびまでも提供する製品であることが求められます。巻きごこちを追求するあまり、1日中リールを巻き続けて手にまめができることも珍しくありませんでした。私にとってそれは“勲章”でもありました。
そうした試行錯誤を重ね、いろんな壁を乗り越え、ようやく製品を世に出せたときの達成感は非常に大きなものがあります。また、その製品が釣り場で使われていたり、雑誌やメディアで取り上げてられていたりするのを見ると、まるで巣立った我が子に再会したかのような幸福感に満たされます。以前、タイ国王が私の手がけたリールで大物を釣ったという記事が現地の新聞に報じられたと、海外販社のメンバーから聞いたときの嬉しさは今も記憶に鮮やかです。
若手のころから開発者として過去4世代のSTELLAに携わる機会を与えられてきたことは、私の誇りであり、現在の私の礎でもあります。